自分の意見の作り方

あれこれ学ぶ
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「自分の意見」ってどうつくるの?よくありそうな悩みがそのままタイトルになっています。

表紙は中高生を意識している印象のイラスト。目次を見ると、帯にある5つのステップが各章に分かれていてシンプルな構成になっています。

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この本を読む利点は

◇次のような悩みに対して

  • 人と深い議論ができない
  • 興味のない話題を振られて何も返せない

5つのステップで「自分の意見」を構築する道筋のたてかたを学べます。いきなりできるようなものではなく練習は必要だと思いますが、そのきっかけにはなるかと思います。

まずは、読む前に自分がどう考えているかを整理してみる。

◇自分自身はあまり意見を持っていないほうだと思っていて、どこかで見た意見がいいなと思えばそれをそのまま自分の意見のように喋ることがある。だからか矛盾することも少なくない。

◇会議の場などで意見や質問を求められたときは、順番があとになるほど言う事がなくなってしまうので、一番最初の方にテキトウなことを喋りたい(なんとなく最初ならトンチンカンなこと言っても許されるような気がする。気がするだけ)。正直に言えば興味がないので意見を求められると困ることはある。興味がないことでも意見が出るようになったらいいなと思う。

◇意見がぶつかったときは「あーなるほどね、たしかに」が頻発する。ただ、相手は選ぶ。意見を喋ってもめんどくさくならないとわかっていれば好き勝手に喋る。すでに意見のやり取りをしたことがあり、めんどくさい認定している相手に自分の意見を喋ることはあまりない。

と、なんとなく意見を発することもあるけど確固たる自分があるわけではなく、面倒な状況を避ける場合はあまり意見は発しません。個人的にはもう少ししっかりしたことを言えるようになりたいなぁと漠然と思ったりしています。

そういう考えの上で本書を読み始めました。本書の帯にもある「問いを立てる」「言葉を定義する」「物事を疑う」「考えを深める」「答えを出す」を順番に追っていきます。

問いを立てられると何がいいのか

問いを立てることは「自分が考えやすい切り口」を用意することだと考えました。

それは「〇〇ってどう思う?」に対して、「別にどうも思わん」で済まさず、考えるきっかけを得られるように能動的に動くことだと思います。

「日本の人口が減り続けることについてどう思う?」に対して「誠に遺憾です」と返さず、「人口が減るとどんな悪いことが起こるか?」「逆に良くなることはなにか?」とクイズのように考えることで、最初のどう思う?に対しての自分の考えをまとめられる。例えば「人口が減ると単純に人手が足りなくなるけど、その分ロボット技術とかが発展するかも」などの意見に繋がりそうです。

普段自分の考えを喋れないときって、その問いを立てられずに「難しい」で思考を停止している気がします。

その考えを「浅いんじゃないか」と思って発言できないことが悩みである人に対しては、5章の「考えを深める」を読むといいのではないでしょうか。

問いは一度立てれば終わりではなく、ときには繰り返す必要がある。問いを立てるための問いを立てる。面倒だと思わずに取り組めたらいいですね。

あいまいな言葉をはっきりさせる

意見を聞かれたときに「なんとなく」は大人でも口癖のように出てきます。考えを深めるためには、言葉の使い方をはっきりする必要があるのではないでしょうか。

相手から使われたとき、または自分が使って相手に聞かれたときにどう思うか、どう思われるかの想像力も必要になりそうです。

本書でも「普通」という言葉について言及されてますが、「この資料、普通すぎるから直しておいて」と言われたら、「普通ってなんやねん…」となりませんか。

なので困ったときは「自分は”普通”をありきたりな表現を多用しているから表現を変える、と認識しましたが合ってます」のような形で【自分はこう思ったけどそれで合ってる?】を繰り返す必要があります。

(たまに、それくらい自分で考えろ、みたいな返し方してくる人もいますけどね。たまにね。)

普段の会話の流れだと、少しくらい噛み合ってなくても「まあいいか」で済ませてしまうことがあります。本書の場合、フランスの話が出てきてそれが許されていない雰囲気らしいのですが、日本の場合は汲み取ることに意識が向きがちです。どちらがいいかはさておき、議論が必要な場においては噛み合わないことは避けるように立ち回ったほうがいいでしょうね。

少し立ち止まって考えてみる

疑うという言葉はネガティブなイメージがあるので、「立ち止まる」とか「周りや自分の声に耳を傾ける」とかでもいいかもしれません。

先の「人口が減ることについてどう思うか」に対して、減ることを悪だとしか考えられないと意見の幅が狭くなります。立ち止まって考えることができないとそもそも深める余地がありません。

  • 他に考える余地はないか
  • 他の人はどう考えるだろう
  • 多数派の意見に引っ張られていないか、権威がある人の意見に引っ張られていないか

などなど、キリはないと思います。でもバランスが難しい。信じすぎるのも信じすぎないのも良くないし疲れます。でもそれまで自分が当たり前だと思っていたものや、根拠も何もなしになにかを断言してくる人の意見は「本当かな?」と思う姿勢が大事だなぁと考えます。

思考の宇宙

思考はよく「深める」と繋げられやすいですが、個人的には重ねたりつなげて伸ばしたりするイメージ。それもあってか海よりは宇宙が合ってる気がしてます。

目標は立てられたとしても、なかなか遠くの星にはたどり着けない。考えることにゴールはなく死ぬまで積み重ねて行くものかなと思っています。

さて、その思考を深める方法として”弁証法”がピックアップされています。ある主張があったらそれに対立する主張を用意し、それらを統合した新しい主張を作る。中間の案ではなく新しい主張であることがポイントです。

これまでの、問いを立て、言葉を整理し、立ち止まって考えることでも思考は深めることができそうです。

答えを出す

ここまで考えて至った結論は果たして正しいのか。誰かに否定されるものではないのか。

結局のところ、ここが気になってアウトプットできないことは多そうです。正しくなくても否定されても、それが自分の意見なのであればそれでいいとは言われても、やっぱり気になるもの。

身も蓋もない言い方だと”慣れる”しかないのかもしれません。

「否定されるくらいなら自分の意見なんて言いたくない」のであれば、その人の考えなのでそれでもいいと思います。そういう人ならこの本は読まないと思いますし。

どうにか自分の意見を吐き出したい。色々な情報を偏らず見て感じ、驕らずにいたいものです。

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